補足:禁止令とは、心理学者エリックバーン博士によって提唱された交流分析という自己分析法の中にある、文字通り「〇〇してはいけない」という「禁止」の「命令」のことです。この禁止令は、幼いころに親などの養育者から否定的・禁止的な命令や態度を繰り返し受けることで、自らの思考や行動の制限を課してしまうものです。「〇〇してはいけない」ということをいわれ続けることで、親からの言葉や態度を受けて、自らの行動にブレーキを掛けてしまうというわけです。
(1)自分では何をしていいのかわからない人間になる
親の躾が厳しい、あるいは親が過保護や過干渉の家庭で発生しやすい禁止令です。「危ないことはやめなさい」「あの子と遊んではいけません」「怪我するから○○はやめなさい」「触ってはいけません」などと行動を規制されるたびに、「自分は何もしないほうがいいんだ」という禁止令を子供が自分に作ってしまいます。厳しい躾や過保護、過干渉に従った子供は大人になると、積極性に欠け、人の意見に従ってばかりになる「指示待ち」傾向が強くなります。幼い頃から親の言いなりに動くことしかしていないと、大人になって、自分でどう行動すればいいかを考える習慣がついていないので、上司や先輩に指示をしてもらえないと、自分では何をしていいのかわからない人間になります。この人の特徴は、行動するにあたってはいつも迷う、どこへも到達しそうにない、それを変える行動もしない人である場合もあれば、有限不実行タイプの評論家、口は出すが手を出さない人といった人かもしれない。あるいは石橋をたたいては壊すのを繰り返すような慎重すぎる人になるかもしれない。
(2)まわりの評価や常識、世間体に左右されやすい人間になる