不眠の原因となるストレス源(まとめ)
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不眠の原因となるストレス源

不眠の原因となるストレスの原因にはどんなものがあるのでしょうか?以下、不眠の原因となりやすい刺激物を列挙します。

不眠は現代社会における重要な問題の一つです。日々の生活習慣や心理的なストレスが睡眠に大きな影響を及ぼしています。ここでは、不眠の原因となる主なストレス源と、最新の研究に基づいた対策をご紹介します。

(1) カフェイン

カフェイン   コーヒーや紅茶や滋養強壮系のドリンク剤に入っている。寝る前に追い込んで仕事をする時に飲むと寝られなくなるばかりでなく、利尿作用もあるので、夜中の途中覚醒の原因ともなる。最大数時間持続することも。

  • 最新研究: 研究によると、カフェインは摂取後6時間は体内に残り、睡眠の質に影響を与える可能性があります(出典: Sleep Health Journal)。
  • 対策: 寝る6時間前はカフェインの摂取を避けることが推奨されます。

(2) ニコチン

タバコなど吸入直後はリラックスするが、その後、数時間にわたって覚醒しやすくなる為、結果として、睡眠の質を低下させている可能性がある。

  • 最新研究: ニコチンはREM睡眠を減少させ、睡眠の質を損なうことが示されています(出典: Sleep Health Journal)。
  • 対策: 睡眠の質を高めるためには、寝る数時間前からタバコを避けることが重要です。

(3)  アルコール

睡眠の導入がしやすくなる為に、睡眠薬のような作用を期待して飲む方がおられるが、アルコールを多量に飲む人はストレス負債があってそれを忘れたいと思っていることが多く、緊張状態が睡眠中もなかなか解けないこともあって、睡眠の途中から著しく眠りが浅くなる。さらに、利尿作用もあって、中途覚醒や早朝覚醒の原因となる。少なくとも就眠4時間前まではお酒を飲まないようにしましょう。

  • 最新研究: アルコールは睡眠の前半部分で深い睡眠を促しますが、後半部分でREM睡眠を減少させることが明らかになっています(出典: Sleep Medicine Reviews)。
  • 対策: 就寝4時間前まではアルコールを飲まないようにしましょう。

(4)  ダイエット

ダイエットもその方法によっては、夜間に空腹になり、それが刺激になって眠りを妨げることがあります。寝る前の夜食で睡眠中に胃腸が活発に動きだす例が挙げられます。

  • 最新研究: 適切なタイミングでの食事と栄養バランスが睡眠の質に影響を与えることが示されています(出典: Nutrients Journal)。
  • 対策: 寝る前は軽い食事にし、夜間の空腹感を避けるようにしましょう。

(5)  エクササイズ

1回20~30分,週3回程度の運動は睡眠を促進しますし、寝る2,3時間前の軽い運動は,睡眠を促進します。一方で寝る直前の激しい運動は睡眠を阻害します。

  • 最新研究: 適度な運動は睡眠の質を向上させますが、寝る直前の運動は避けるべきであることが確認されています(出典: Sleep Medicine Reviews)。
  • 対策: 寝る2,3時間前の軽い運動は睡眠を促進しますが、寝る直前の運動は避けましょう。

(6) 飲み薬の影響

飲み薬が実は不眠の原因となっていたということもありますので注意が必要です。

  • 最新研究: 特定の薬剤が睡眠に悪影響を及ぼすことが報告されています。特に、夜間に服用する薬剤は慎重に選ぶ必要があります(出典: Journal of Clinical Sleep Medicine)。
  • 対策: 薬の副作用が気になる場合は、医師に相談し、服用時間の調整や代替薬への変更を検討しましょう。

高血圧の方

高血圧の治療薬(β遮断薬、α遮断薬)には交感神経の作用を抑える薬があります。交感神経の作用を抑えると副交感神経の作用が相対的に強くなって寝られそうな気もしますが多くの方は、昼の活動している時間帯にこの薬を使います。その為、寝る前になるとこの薬が切れてきます。そうするとこれから寝ようとするタイミングで、薬の効果が減弱することで、交感神経が興奮しやすくなり、寝られなくなるというわけです。また、自律神経のバランスを崩しますので、昼間に眠気がきたりとか悪夢といった副作用もでやすくなります。

膠原病やリウマチの方

ステロイドを飲んでいる方は不眠の原因になります。特にプレドニンという薬で10mg以上飲んでいる人はリスクがでてきやすくなります。朝1回だけ飲んでいるのであればまだ睡眠への影響は少ないですが、夕方にも飲んでいる場合には、不眠のみならず、うつ病や精神疾患をきたすリスクがあがり、それが不眠の原因になることもあります。

慢性的なアレルギーの方

抗ヒスタミン薬という最もアレルギーの方で使用している薬には、アレルギーを抑える作用以外にも鎮静/抗不安作用があります。日中の眠気や夜間せん妄など高齢者の危険行動につながることもありますので注意が必要です!

<最後に>

ストレスがあってもみんながみんな不眠にはならないと思いますが、以下の人は不眠になりやすいといわれています。

(1)安心感を感じれない

どんな人でも寝る為に必要となる感情というのがあります。それが「安心感」です。

安心感がなければ、あるいは安全性が担保されなければ、例えば、生命が脅かされるという不安がない状態でなければ、熟睡は困難です。不安が睡眠を妨げるのですが、どんな不安があるのかというと、一つはまだ起こっていない未来(未知)に対する怖れからくる不安です。明日はきっと悪いことが起きる!と感じている人はこのタイプですね。親や恋人、配偶者に見捨てられたらどうしようと考える人もいます。

(2)リラックスできない

仕事で帰宅したら深夜近くで、そのまま食事、入浴、就眠とあわただしい生活をされておられる人はリラックスする時間がなく、なかなか寝付けない人がいます。翌朝にも大量の仕事が山積みになっている場合には気になってそわそわして寝られないということもありますし、怒りっぽい人は、帰宅してもイライラして、寝られないということもあります。イライラや焦り、そわそわなど落ち着かない感情の時っていうのはなかなか寝付けません。

こうみていくと、寝れるというのはある程度、不安に対するストレス耐性や感情のコントロールが必要であることが分かります。不安は見通しが立たない時にでてくる感情ですが、見通しを完全に立てられる人は預言者ではない限りはいないわけで、見通しが立たなくて不安を感じてもその不安に対応できる能力が必要になります。ストレスがかかっている状況では、その対応能力が低下するというわけです。

参照: https://jcsm.aasm.org/journal/jcsm

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